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パブリックコメントの提出: 那覇港浦添ふ頭埋立、PFASの環境影響評価、沖縄県地域外交基本方針

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この1ヶ月の間に沖縄の市民社会の一人(吉川秀樹)として、3つのパブリック・コメント(パブコメ/意見)を提出しました。 那覇港浦添ふ頭埋立について のパブコメを浦添土地開発公社へ、P国の食品安全委員会による PFASの環境影響評価の審議について のパブコメを国の食品安全委員会へ、そして 沖縄県地域外交基本方針(案)について のパブコメは沖縄県地域外交室へ。ばたばたしながらなんとか書きました(質は?です)。下に記録として3つのパブコメ掲載しておきます。 MacBookもお疲れ様状態 パブコメの提出なんて意味がない、という人もいるかもしれないけど、パブコメ提出は法制度に位置付けられた市民による行政への重要な関わり方。どれだけパブコメが提出されるのかは「市民社会の力」の指標の一つと言えます。一方で企業もパブコメをだして行政に関わっていきます。今回のPFASの影響評価に関しては規制を緩くして欲しい企業もパブコメを出していると思います。 欧州PFAS制限案への企業からのパブコメ数 をみるといろいろ分かります。 那覇港浦添ふ頭の埋立についての環境アセス学習会を開催してくれた 里海22 、PFASについての情報を提供してれた The Informed Public Project に感謝します。ありがとう! 那覇港浦添ふ頭埋立についてのパブコメ PFASの環境影響評価についてのパブコメ 沖縄県地域外交基本方針(案)についてのパブコメ

やんばるの森を真の世界遺産に! NGO-UNESCO フォーラムに参加しました! 

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去る2月14日、15日、22日、23日、ドイツ、ベルリンのNGO, World Heritage Watchの主催する第12回世界遺産国際NGOフォーラム(NGO-UNESCOフォーラム)が開催されました。The Informed Public Projectの代表の河村雅美さんとOkinawa Environmental Justice Projectの代表である私(吉川秀樹)が参加しました。 やんばるの森 世界自然遺産ウォッチ プロジェクト 2月15日には、私が「Hesitant Heritage: Yambaru Forest and the U.S. Military’s Northern Training Area ("ためらう世界遺産:やんばる森と米軍北部訓練場")というタイトルで報告。環境省や米軍が北部訓練場や米軍廃棄物に関する問題に対応をすることを躊躇っている状況を伝えました。そしてこの状況を改善するために、ユネスコとIUCNから環境省と米軍に働きかけるように要請を行いました。報告や要請の内容は、宮城秋乃さん(蝶類研究)、花輪伸一さん(生態学)、河村雅美さん(国際社会学)、吉川秀樹(人類学)、そしてやんばるの森の地元住民や森を支援する人々のこれまでの取り組みを踏まえたものです。 このNGO・UNESCOフォーラムは、市民社会のメンバーが現場の情報を ユネスコ世界遺産センター とその諮問機関である 国際自然保護連合 (IUCN)、 国際記念物遺跡会議 (ICOMOS)、 国際文化財保存修復センター (ICCROM)に提供する重要な機会となっています。  NGO-UNESCOフォーラムでは、市民社会、ユネスコ、そしてその諮問機関がオープンに問題を議論し、意見や提案を交換する重要な場です。また市民社会のメンバーにとっては、自分たちの取り組みと他の市民社会のメンバーの取り組みを比較し、自分たちの取り組みを大局的に理解し、そしてネットワークを広げていく場でもあります。 一方、NGO-UNESCOフォーラムは、非公開で実施されてきています。なぜなら参加者の中には、情報を提供したことにより不当な対応を受ける可能性がある人々がいるからです。そのような人たちと比べると、沖縄の市民社会は、全体としては、まだ有利な立場にあり、世界遺産やんばるの森が抱え

Okinawa Civil Society Members Participated in NGO-UNESCO Forum

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On February 14, 15, 22, and 23, the Berlin-based NGO World Heritage Watch held the 12th International Forum on World Heritage (UNESCO-NGO Forum). Dr. Masami Mel Kawamura, Director of the Informed Public Project , and I, Hideki Yoshikawa, Director of the Okinawa Environmental Justice Project, participated in the UNESCO-NGO Forum. On Feb. 15, I presented “Hesitant Heritage: Yambaru Forest and U.S. Military’s Northern Training Area.” I argued that the Japanese Ministry of the Environment and the U.S. Military have been highly “hesitant” to discuss issues relating to the Northern Training Area. I requested the UNESCO World Heritage Centre and IUCN to help resolve this situation. My presentation is a result of collaboration between Akino Miyaga (entomology), Shin-ichi Hanawa (ecology), Masami Mel Kawamura (international sociology), Hideki Yoshikawa (anthropology), and local community members and supporters of the Yambaru forest.          Yambaru Forest World Natural Heritage Watch Project 

寄稿文「辺野古新基地建設を止めるために:ポスト代執行の市民社会の取り組み」

沖縄環境ネットワーク通信に拙文「辺野古新基地建設を止めるために:ポスト代執行の市民社会の取り組み」を寄稿させてもらいました。沖縄環境ネットワークのみなさんに感謝、感謝です。ありがとうございました。 沖縄環境ネットワーク通信では文字数制限があるので、私の寄稿文も出典や注釈を省いたものになりました。しかし米国連邦議会調査局の報告書や米国のシンクタンクの報告書等に言及した内容なので、出典や注釈を示したヴァージョンを下にpdfで貼り付けておきます。沖縄環境ネットワー通信でも出典/注釈記載バージョンにアクセスできることを伝えています。 多くのみなさんに読んでいただければと思います。 よろしくお願いします。 Okinawa Environmental Justice Project 代表 吉川秀樹

OEJP's New Year Message for 2024

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  Okinawa Environmental Justice Project's New Year Message for 2024 Happy New Year! We at the OEJP want to start the year 2024 by saying "Thank You" to those individuals and organizations who supported and worked with the Okinawa Environmental Justice Project throughout 2023. With your support and collaboration, we were able to continue our fight to protect Henoko-Oura Bay and the UNESCO World Natural Heritage Yambaru forest from the militarization by the Japanese and the U.S. governments of these areas.  Stopping the Japanese government’s construction of a U.S. military base at Henoko-Oura Bay and the U.S. military’s training in the Yambaru forest is undoubtedly an enormous challenge, and we are still far from meeting the challenge. The destruction of Henoko-Oura Bay continued last year and is likely to be intensified this year. The impacts of the U.S. military’s training on the Yambaru forest have remained unexamined. However, we saw critical developments in 2023; we ca

2024年 新年のメッセージ 

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2024年:Okinawa Environmental Justice Project 新年のメッセージ 明けましておめでとうございます。 今年もよろしくお願いします。   2024 年をスタートするにあたり、昨年一年を通して OEJP を支援し共に活動して頂いたみなさんに感謝を申し上げたいと思います。ありがとうございました。みなさんの支援と協力により、 OEJP は辺野古・大浦湾とユネスコ世界自然遺産やんばるの森を日米政府による軍事化から守る取り組みを続けることができました。 辺野古・大浦湾における日本政府の 新 基地建設を止めること、そしてやんばるの森における米軍の訓練を止めることは確かに大きな挑戦です。そして目標の達成には程遠いのが現実です。昨年も辺野古・大浦湾の環境破壊は続き、今年はさらに環境破壊が激化することが予想されています。また世界遺産やんばるの森での米軍の訓練については、環境への影響の調査自体もきちんと行われているとはいえません。しかし昨年、私たちの目標達成に向けて重要な進展があったことも確かです。 2024 年はその進展を踏まえて、新たな取り組みを展開していきたいと思います。 辺野古の浜でのハチウクシーの集会(2024年元日) 辺野古新基地建設 昨年 11 月、在沖縄米軍幹部が、メディアの質問に答える形で、軟弱地盤の上での飛行場の運用や工事の遅れなどに関する懸念を米軍として初めて 公に表明 しました。これは重大な進展だったといえます。現在、この無謀な建設計画の実現に自信を示しているのは日本政府だけです。米国連邦議会や米国のシンクタンクは、この計画に疑問を呈してきました。設計変更の代執行裁判で政府を支持する判決を下した日本の裁判所さえ、基地建設にはさらなる設計変更が必要になる可能性に言及しています。 2018 年末に軟弱地盤の問題が表面化して以来、 OEJP は米国政府に対して軟弱地盤について 独自に検証 するよう求めてきました(こちらも 参照 )。そして、在沖米軍幹部が懸念を表明する 2 カ月前の 9 月には、 OEJP は米軍に対し、米国情報公開法を使い、軟弱地盤、地盤改良工事が環境に与える影響、基地の運用性に関する 米軍の分析・評価の公表 を求めていました。地元メディアが OEJP の情報公開請求を記事にし、メディアの中には同様の情報公開請求を

OEJP声明:日本政府による辺野古新基地建設設計変更「代執行」承認について

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  OEJP 声明:日本政府による辺野古新基地建設設計変更「代執行」承認について Okinawa Environmental Justice Project は、日本政府が沖縄防衛局の辺野古新基地建設計画における地盤改良工事を「代執行」により承認したことを強く非難する。この建設計画は、民主主義を蔑ろにする、非科学的検証に基づいた環境破壊であり、軍事的にも不具合をもつ、無謀な計画であり、日本政府の沖縄に対する差別を具現化するものである。この計画が失敗するのは明らかだ。 OEJP は日米政府に対してこの計画を中止するよう要求する。また日本政府に対し、基地建設がこれまでに破壊してきた環境の回復を要求する。さらに OEJP は日米政府に対し、米軍海兵隊普天間飛行場を閉鎖し、県外移設の代替案を策定することを要求する。 OEJP は、新基地建設を止めるため、また辺野古・大浦湾の環境を守るため、ポスト代執行の取り組みを展開していく。    日本政府の代執行による承認 2023 年 12 月 28 日、斉藤鉄夫国土交通大臣は、玉城デニー沖縄県知事、そして玉城知事を知事と選んだ沖縄県民に代わり、辺野古基地建設にかかる沖縄防衛局の設計変更申請を「代執行」により承認した。この承認により、同局は大浦湾側の軟弱地盤改良工事に着手することが可能となり、 2024 年 1 月 12 日に工事が開始されると予測されている。   日本政府の代執行による承認は、玉城知事による地盤改良工事の不承認を違法とする福岡高裁の判決を受けたものである。玉城知事は最高裁に上告しているが、最高裁が高裁判決を覆さなければ工事は止まらない。最高裁は高裁判決を踏襲すると見られている。 代執行による承認の問題 日本政府の代執行による承認は、民主主義の原則を根底から覆すものである。沖縄県民は、選挙、住民投票、非暴力直接行動など、あらゆる民主的手段を使って、辺野古新基地建設計画に 20 年以上反対してきた。玉城知事の揺るがない基地建設反対の姿勢は県民の民意を反映している。   日本政府の代執行による承認は、同建設計画に関する科学的データと合理性を無視したものだ。専門家は、このような条件の悪い場所に軍事基地を建設することの合理性を疑問視し、基地建設の実現可能性さえも疑われている。辺野古・大浦湾が世界レベルの生物多様性を有すること、